ZUZANA HOLUBCOVÁ
ズザナ・ホルプツォヴァー

ズザナ・ホルプツォヴァー 写真提供:ズザナ・ホルプツォヴァー

ズザナ・ホルプツォヴァー(1982年~)はフセチーン市で生まれました。2011年から、イギリス・ケンブリッジの分子生物学研究所の医学研究評議会で博士研究として勤務しました。2015年からは、ブルノのマサリク大学医学部の組織学・発生学研究所に勤める傍ら、生殖医療医院であるレプロフィット・インターナショナルの専門家顧問でもあります。

彼女は、ヒトの卵子が受精の準備をしている間にその内部で起こっていることを、世界で初めて録画しました。このプロセスをより詳しく理解することは、人工受精のより大きな成功に寄与します。彼女の研究成果は、科学雑誌「サイエンス」と「ネイチャーセルバイオロジー」で発表されています。

受精準備が整ったヒトの卵子。染色体の正しい配列を担う組織はピンク色で、染色体は青色でマークされています。 写真提供:ズザナ・ホルプツォヴァー

受精準備をしている卵子の初の記録

 

たちの見た目や、脅威となるであろう病気を決定するDNAは、長いひもの形で染色体に巻き込まれています。ズザナ・ホルプツォヴァーは、その原因に興味がありました。細胞内の染色体が減数分裂紡錘体と呼ばれる構造による減数分裂プロセスで分裂することは、随分前からわかっていました。このチェコの胎生学者は、ヒトの卵子の紡錘体が他のヒト細胞内とは異なって配置されていることを、世界で初めて発見しました。

それに加えて、紡錘体は非常に容易に分裂する可能性があるため、そうなると染色体が混ざり合って正しく分離しません。卵子が受精して胎芽が発生するかもしれませんが、それは生存しないことが多く、女性は流産してしまいます。胎児を臨月まで生存させることが可能なときもありますが、新生児は遺伝欠陥(ダウン症など)の影響を受ける可能性があります。卵子を観察していたとき、このチェコの胎生学者は、それぞれの発達段階がどれくらいの長さで持続するかも発見しました。

ズザナ・ホルプツォヴァーが博士研究員のときに発見をした研究室を、イギリス女王エリザベス2世が訪れました。女王は、ヒトの卵子の発達記録を見て、次のように述べました。「それは興味をそそられますね」

ズザナ・ホルプツォヴァーが発見をした研究室を訪れるイギリス女王エリザベス2 写真提供:ズザナ・ホルプツォヴァー

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